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2011年10月31日

『住宅を建てるときにどんな設計図を描くのか?(3)』

家づくりの時、必要な設計図についてお話させていただいていますが、
今回は、住宅の中でも、内部的な部分、
インテリアデザインと設備に関する図面についてご説明いたします。

《天井伏図》
zu_015_天井伏図
「天井伏図」は、部屋の天井部分を下から見上げた状況を
図にしたものです。
デザイン、寸法、材質、仕上げ内容が中心的情報になります。

《展開図》
zu_016_展開図
一般的な部屋は、いわゆる直方体の形です。
内部から見ると6面あるわけですが、床は「平面図」で、
天井は「天井伏図」で、それぞれ表されますが、
残りの4面、つまり、壁の4面を表すのが「展開図」です。

これも「天井伏図」と同じで、
デザイン、寸法、材質、仕上げ内容を表記します。
「各部屋4面×部屋数」分だけの図を描きますので、図面枚数も多くなり、
我が家でもA2の大きさの図面で4枚描いています。

《鋼製建具表》
zu_017_鋼製建具表
「鋼製建具表」は、アルミ製やスチール製の窓やドアが
どんな仕様のものであるかを表した表形式の図面です。
我が家では、全て既製品のアルミサッシを使いましたので、
正面から見た姿の絵と、使用場所、台数、ガラスの種類・厚さ、
特別に附属する金物類などを記載します。

既製品の場合、サッシの断熱グレードの違いや
使用するガラスが種類・・・ペアガラス、防犯ガラス、熱線反射など・・・
の違いが大事になってきます。

《木製建具表》
zu_018_木製建具表
「木製建具表」は、住宅の主に内部で使うドアや襖、障子などを
「鋼製建具表」と同じ形式で表しています。
我が家では、木製の引き違い戸、和紙張りの障子がメインです。

最近は、建材メーカーから既製品の内部ドアが豊富なバリエーションで
発売されていますので、そちらを使う住宅工事も多いです。

《電気設備図》
zu_019_電気設備図
「電気設備図」は、照明器具の位置、その照明を操作するスイッチの位置、
コンセントの位置、その他の電気設備・・・分電盤の位置などを図示している
図面です。実際の工事での“配線”などは、ここでは記載しません。
どちらかといえば、使う方(住み手)が生活上、目にする部分を
取り扱っています。

他に、「照明器具リスト」も記載して、図面上の“照明器具マーク”が
どのメーカーのどんな型番の商品かがわかるようにしています。
例えば、洗面に入る前のところにある「B」と記号をふっている照明器具は、
実際の出来上がりでは、下の写真のようになります。

ベニヤ作りの真壁

《給排水設備図》
zu_020_給排水設備図
「給排水設備図」は、水廻りの設備機器をどのように配置していくかを
表している図面です。主なものは、キッチン、お風呂、洗面、トイレです。
屋外では、外部用の水道(給水栓)や水道メーター、浄化槽などが
対象になってきます。
給湯器の設置と給湯する箇所も指定します。
また、水道以外にも“ガス”が対象になってきます。
キッチンのコンロがメインですが、部屋の壁付けガスコンセントを
設けて、ガスストーブに対応するかどうかも検討項目です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このように実施設計の段階でつくった図面は、全18枚となりました。
18枚とはいえ、実際は行きつ戻りつになりました。
例えば、間取りをちょっと変更しても、
「平面図」を変えるとともに、連動して「構造図」や「展開図」、
「設備図」も変えることになるわけです。

しかし、そういった手間をかけることで
設計内容は、より充実して洗練されていきますので、
いろいろな場合を想定して設計内容が実生活にフィットするかを検証しながら、
図面を変更して、設計をより濃いものにしていく過程は、
欠かすわけにはいかないところです。

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posted by 建築士ky at 10:00| Comment(0) | 設計編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月30日

『住宅を建てるときにどんな設計図を描くのか?(2)』

前回に引き続き、設計図のお話をいたします。

家づくりをするときには、工事や申請書類のために
“図面”が必要になってきます。

前回は、基本的な図面をご紹介しましたが、
続いて、各部分の細かいところの図面をご紹介したいと思います。
まず、「構造図」といわれる図面です。

《基礎伏図》
zu_009_基礎伏図
「基礎伏図」は、基礎を真上から見たときの状況を絵にしています。
地面下や、平打ちする土間コンクリートの下になって見えなくなる部分は、
点線(破線)にて表現しています。

1階間取りと比べると、壁の真下、柱の下に基礎があるのが基本です。
床下の風通しをよくするために部分的に切り欠きを設けています。
また、土台と基礎を結びつけるアンカーボルトの位置も図示します。

zu_010_基礎詳細図
上の図は、「基礎伏図」の一部として必要な「基礎詳細図」です。
「伏図」が真上から見た図に対して、「基礎詳細図」は、縦方向で
輪切りにした断面が表現されます。
基礎の厚さ、中に入る鉄筋の太さや本数、ピッチが重要です。

《床伏図》
zu_011_床伏図
「床伏図」は、基礎の上に乗る“土台”をどのように組むかを
表現した図面です。これも真上から見ています。
土台の他に床面を支える部材である“大引”(おおびき)や“根太”(ねだ)も
図示しています。それぞれの部材の材種、サイズ、ピッチが記載されます。

《2階梁伏図》
zu_012_2階梁伏図
「2階梁伏図」は、2階の床を支える“梁”の組み方を表現した図面です。
「床伏図」と基本は同じになります。
例えば、120×150と記載してあるのは、
そこにある梁のサイズが厚さ120ミリ、高さ(梁成:はりせい)が150ミリ
であることを表しています。
吹き抜けのところは床がないので、空白のように表現されています。

《小屋伏図》
zu_013_小屋伏図
「小屋伏図」は、屋根面を支える“梁”の組み方を表現しています。
図面の表現ルールは、他の「伏図」と共通です。
梁と梁の交差点のところに45°斜めで入っている部材は、
“火打梁”(ひうちばり)と呼ばれ、梁で構成される水平面が
ひしゃげにくく(変形しにくく)するための部材です。

《軸組図》
zu_014_軸組図
ここまでご紹介してきた「○○伏図」が、構造の組み方を
水平面の単位で表現してきたのに対して、
「軸組図」は、縦方向の面で表しています。
簡単に言うと、壁の表面をはがした中の柱や梁の様子を見る
といったところでしょうか。

柱、梁、土台、そして“筋かい”で構成されます。
それらの木部材を緊結するための構造金物も
その種類と使用する位置を図示しています。

単純な骨組み
上の「軸組図」は、一番道路よりの外壁面の部分を図示していますが、
実際に建ちあがると(建て方時)、この写真のようになります。
(まだ、筋かいは入っていませんが。)

この「軸組図」は、内部の間仕切り壁ごとに表していくので、
壁の数だけ図示する部分があって、図面枚数も多くなっていきます。
我が家でも、小さい家にも関わらず、A2図面で2枚を費やしています。

以上が、構造図の各種となります。
次回は、意匠図(内装図面)や設備図(電気、給排水など)を
ご紹介する予定です。

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posted by 建築士ky at 09:00| Comment(0) | 設計編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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